僕は「ラブライブ!サンシャイン!!」という作品が大好きです。
この作品のストーリーと登場するスクールアイドルグループのAqours、そしてもっと言うと”一応”リーダーであり主人公の高海千歌ちゃんは、自分の人生を変えてくれるきっかけになった、ただの「大好き」を超えた、大きな影響を与えてくれた存在です。
どうしてこんなに大きく影響されたのか?
どうして千歌ちゃんにこんなにも心を突き動かされたのか?
先日アニメを1期、2期、劇場版を見返したばかりなので、アニメ放送終了からかなり時間が経った今更ですが、改めて千歌ちゃんのことを語ってみようかなと思います。
誰にでも輝くための力はある。「自分」を肯定した千歌ちゃん
千歌ちゃんにどうしてこんなにも影響を受けたのか、それは結論から言ってしまうとやはり、「普通で何もない高校生が色んな現実に叩きのめされながらも自分らしく泥臭く頑張ったから」だと思います。
初見でアニメを見た当時は特に気になりませんでしたが、最近アニメを見返して思ったのは、この作品が、千歌ちゃんが一番伝えたかったメッセージっていうのは、「どんなに自分には何もないと思っていても、実はそうではなく、誰にでも自分の中に輝き(自分らしく輝けるいいところ、長所)があるから、自分にないものを持っている人に憧れてその人になろうとするんじゃなくて、自分らしく、自分のままでやりたいことを全力でやることが大事」なんじゃないかなって(あくまでも個人の解釈です)。
僕は自己分析について徹底的に勉強していた時期があったのですが、その時に学んだことで、「人間の長所とは、自分では自然と、当たり前にできてしまうこと」というものがありました。
そういった視点から今までの千歌ちゃんの行動を確認してみると、改めて千歌ちゃんが持っている(おそらく自分では当たり前すぎて自覚していない)長所というものが見えてきます。具体的には、
・考えすぎずにとりあえず行動する
・自分が心の底から興味や情熱を抱いたことは辞めずにどこまでも追求する(飽きっぽいからこその長所)
・他人の些細な変化に気づく(2期4話でのダイヤさんの変化に気づいたことを、果南ちゃんに「不思議と鼻がきくよね」と褒められた)
・他人の長所に気づき、個性や本心、ありのまま(つまり自分らしさ)を尊重して、肯定する
この辺かなと思います。特に最後の自分らしさを肯定するというところが最大の強みかなと感じるところで、千歌ちゃんって他人の気持ちを察して、他人を肯定するんですよね。自己肯定感が低く、自分には何もないと自分を卑下しているからこそ、他人の強みには気づいて、他人の個性や本心を肯定してくれる。それは梨子ちゃんのピアノのことだったり、友情ヨーソロー回の曜ちゃんとのフォーメーションだったり、花丸ちゃんへの「やりたいかどうか」やヨハネの堕天使を認めたことだったり……様々なシーンでAqoursのメンバーの気持ちに寄り添い、長所を発揮してきたからこそメンバー達が輝き、そしてそれがAqours全体の輝きへと繋がっていく。
自己肯定感が低いことについても、1期12話でμ’sを追いかけることをやめて「私でいいんですよね」と自分を肯定したり、2期6話のAqoursのMIRACLE WAVEの練習で曜ちゃんと梨子ちゃんに「最初にAqoursを始めた千歌ちゃんがいたからここまでやってこれた」と言われて自分のことを認めたりしたことで良い成果に繋がりました。
「人を肯定する力」を他人にも自分にも使うことで輝くことに繋がった。これはμ’sに憧れて得ようとしたものではなく、千歌ちゃんが元から持っていた力です。だからこそ、三次元の世界で千歌ちゃん達の軌跡を見てきた僕達にも「本当に自分には何もないと思ってる?」「自分自身が持っている強み、輝くための力がちゃんとあるよ」「自分の本心を大事にした方がいいよ」などというメッセージが伝わってきて、胸を打たれます。これは何もかもキラキラしてて才能があって憧れの対象になる人に言われても響きません(いや俺とお前じゃ全然違うしってなるから)。普通で、何もなくて、自己肯定も低くて、悩んで、苦しんで、もがいて、そんな等身大のリアルな、僕達と同じ(といって良いのかわかりませんが、少なくともμ’sよりは同じ寄り)千歌ちゃんだからこそ、心に響いたんじゃないかなって思います。
「0から1へ」低いハードルでいい。小さな成功体験を少しずつ
そしてもう一つ、影響を受けた要因となるのが、「小さなことから少しずつ成功体験を積み重ねてきたこと」です。「0から1へ」というのはAqoursに限らず、僕達の現実の世界においてやりたいことや夢を実現することにおいても、それを成功させるためにとても重要なキーワードなのかなと思います。
RPGゲームに例えるとわかりやすいですが、例えば主人公の目的がお姫様を救出して世界を救うことだったとしても、ゲームを始めた段階でいきなり「ラスボスを倒す」を目標にしても無理な話ですよね。装備も何もかも弱い状態では「いやそんなの無理」「できるわけがない」となります。でも「目の前の弱い敵(ドラクエでいうスライムとか)を倒してレベルを1上げる」という目標なら、ちょっと頑張ったらできそうですよね。でその目標を達成すると、じゃあ次は「もうちょっと強い敵を倒す」「次の街まで進んでみる」みたいな、ちょっと頑張ったらできそうな目標が増えて、それを次々に達成していくことでいつの間にかラスボスを倒せるだけの力が身についていて、最初は無理だと思っていた「ラスボスを倒す」ができるかもしれない目標になり、実際に達成できて世界を救うという目的を叶えることができます。
1期6話で梨子ちゃんが言っていた「0を100にすることは無理かもしれないけど、1にすることはできるかも」というのはまさにそういう話で、(将来的にはもちろん100にしたいけど)今の自分達の力をまず認めた上で、まずは1にというとても小さい目標を立てて、1ができたら次は10に(無理そうなら2でも3でもいい)という形で、とにかく低いハードルで全然良いから、目標を達成していく。千歌ちゃんのように自己肯定感が低い人間がいるAqoursだったからこそ、0を1にという目標が「こんなのできるわけない、無理」にならずに「ちょっとずつで良いから進もう」と成功体験を積み上げていく→それが最終的にラブライブ優勝という高い目標の達成に繋がったんじゃないかなと思います。
自己肯定感が低くて、「こんな自分が夢ややりたいことを実現するなんて無理だ」と思っている人は現実にも多くいると思いますし僕自身もそういう人間でしたが、だからこそ千歌ちゃん達の「0から1へ」が、ほんの小さい目標からちょっとずつ成功体験を重ねていくことで自分でもできるんだという希望を持てるような、そんな影響を与えてくれるんじゃないかなと思います。
終わりに〜「やりたいならやってみよう」
ということでだらだらと千歌ちゃんについて語ってきました。
自分の本心を大事にする、自分のままで自分が持っている力を使う、小さいことから成功体験をちょっとずつ積み重ねる……これらが自分の理想を実現するためにとても大事だというメッセージが、現実世界にも当てはめることができるからこそ、Aqoursに、そして千歌ちゃんにすごく大きな影響を与えられたんだなと、改めて実感することができました。この作品は夢をテーマにしながらも「頑張ったら必ず夢は叶う」という安直な保証はせず、むしろ「未来のことがわからなくて不安」「叶わない夢もある(劇中だと廃校のこと)」という描写をしてきた作品です。それでも普通で何もない千歌ちゃん達が実現したいことに向けて頑張る姿を見せてきたわけで。だからこそ、僕は元々将来やりたいこととか夢とかそういうものがなく惰性で退屈な社会人生活を送っていたのに、この作品と千歌ちゃん達に出会ったことで自分のやりたいことを見つけて、その実現のために、千歌ちゃん達みたいに一歩一歩頑張りたいって本気で思うようになりました。自分の人生を変えるきっかけをくれた千歌ちゃん達に、心の底からお礼を言いたいです。最後に、僕に一番影響を与えた千歌ちゃんの言葉で、締めたいと思います。
「一番大切なのはできるかどうかじゃない、やりたいかどうかだよ!」
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