【アニメ感想】ユーフォ3期5話 自分の進路について、久美子が考えて導き出す答えとは

響け!ユーフォニアム
引用元:『響け!ユーフォニアム3』公式サイト あらすじ(第五回)より

なんとなくの進路ではなく、何かを見つけたい久美子

今週もユーフォの感想を書いていきます。なお第4話については先週感想を書く時間が全く取れなかったのと久美子中心ではなく求君回だったということで、久美子視点から「求君に対しても相変わらずカウンセラー久美子を発揮していた」という感想程度で記事自体は割愛させていただきます(ごめんなさい)。サンフェスの演奏はちょっと見たかったです。

また今回の記事から、アニメを見た後に原作を(アニメでやった範囲まで)読んでから感想を書いていますので、その点もご了承ください。

第5話の内容は久美子の進路関連の割合が結構多かった印象でした。今回の話で、久美子は自分の進路についてまだ何も決めることができていないということがはっきりと分かりましたね。麗奈に電車の中で「今まで生きてきて将来の夢が一つもないの? 何を目標に生きてるの?」と言われてブッ刺さっている久美子を見て、「おいやめろ」「自分にも刺さるからやめて」とダメージを負った視聴者さんも多かったのではないのでしょうか。

劇中でも言及されていましたが、高校生の時点で将来の夢ややりたいこと、ビジョンを明確にできている人の方が少ないわけで、その点で麗奈よりも久美子に感情移入できた人は多そうですね。筆者もその一人です。

ただそんな中でも、「何か見つけなきゃ」という思いを久美子が持っていたことが今回の話で特に印象に残るポイントでした。

二者面談で久美子が話した「本当に目標もなく決めていいのか」に対して先生が返した「その言葉は少なくとも流されがちな生徒の言葉ではない」という言葉がありましたが、久美子はおそらく(冒頭の父親との会話のシーンからなのかそれ以前からなのかはわかりませんが)、無意識に目標もなく周りに流されてこれからの進路を決めるのはダメだという考え自体はどこかにあって、それが先生との面談によって久美子自身が自覚して、麗奈に「周りに流されてなんとなく『こんなもんか』で毎日を過ごすんじゃなくて、何か見つけないとダメだ」と言うまでに至ったのかなと思います。中学で負けた一件もあり、今まで周りに流されまくってきた久美子だからこそ、父親との会話、テレビに映った俳優、仲間との進路の会話、先生との二者面談を経て「何か見つけないとダメ」と一歩自分に向き合うことができたと言う点で、久美子の成長が一つ見られたのがよかったです。

先生の「考えすぎも良くない」と言うアドバイスは確かにそうだなって思いましたし、実際高校時点では特にあまり考えずに、とりあえず大学に行くと言う人は世の中に多いと思いますが(筆者の周りにもそういう生徒はいました)、その点久美子は明確な進路は決まっていないものの、高校生の時点で「なんとなく大学行くとかじゃなくて、何か目標を見つけて進路を決めたい」とちゃんと考えられているところが素晴らしいと思います。大人になると「あの時ちゃんと考えておけば……」なんていう例はたくさん聞きますからね……といっても高校生の時点でその辺をちゃんと考えるという選択肢が自分にない時点でどうしようもないので、筆者自身ちゃんと考えてきた学校生活ではなかったものの後悔しようもないことなのですが。5話を見ていて「久美子偉いなあ」と思うばかりでした。

真由との接し方から感じる、今後の話への嫌な予感(一部原作の内容あり)

引用元:『響け!ユーフォニアム3』公式サイト あらすじ(第五回)より

今回の久美子は真由との絡みも結構ありましたね。
「私も参加するの?」と真由が質問した時の久美子の一瞬怯んだような反応、そして個人練習の時にあがた祭に一緒に行こうと誘われた時も嘘をついてまで断った久美子。その後一緒に吹きはしたものの、あがた祭の話になる前は久美子は自分から「練習場所がないならここで一緒に吹こうよ」とは言わなかったので、あれは嘘をついて断ってしまった罪悪感から埋め合わせみたいな意味で一緒に吹いたように見えたので、2人きりで一緒に練習したいわけじゃないのかなと思いました。

久美子は真由のことが嫌いなのか、どうして壁を作っているのかについて公式ではどうなんだろうと気になっていたのですが、それについては(原作の設定をそのままアニメに反映していいのかは分かりませんが)原作で少し言及されていました(原作の内容を知りたくない人は読み飛ばしてください)。

まず「私が出ることになったら枠を埋めちゃうからオーディション辞退できないか」については、久美子としては辞退することで枠が空いて喜ぶ部員がいると思われているのが不愉快という心情の様子。

そもそも久美子が真由に対して警戒しているというか、壁を作っているのは、「今年の低音メンバーは仲が良いけど、真由がこのバランスをいつか崩してしまうのではないかと久美子が思っているから」。

あがた祭の話から一緒にユーフォを吹くシーンについては、「真由と仲良くしたい気持ちはあるものの祭の誘いを受けた時に嘘をついてまで断ってしまうほど動揺した理由が自分でもわからない」と「自分と真由のどっちが優れた奏者かが知りたい」という心情が描写されていました。

うーん……中々細かいというか複雑な気持ちということでしょうか。
今の段階でまとめると、久美子的には「真由のことは嫌いじゃないし仲良くしたいけど、真由がいることで自分が真由よりもユーフォのレベルが下だとはっきりと思い知らされるかもしれない(それこそオーディションで負けるかもしれない)不安と、部の雰囲気に悪影響を及ぼす可能性から一定の距離を保って警戒している」といった感じでしょうか。

真由としても悪意はあまり感じられないんですけどね……あがた祭に誘ったのも単純に久美子と仲良くしたいからなのかなと思いましたし、オーディション辞退したい件もあくまで「エンジョイ勢の視点」から言えば「ずっと北宇治で吹奏楽をやってきた部員がコンクールに出るべき」という考えもわからなくはないので……やっぱり前の学校で何かあったんですかね? 自分がオーディションに勝ったことで負けた部員から心無い言葉を吐かれたとか、それで自分が負い目を感じてしまって自分の実力とは関係なしに「オーディションに勝っても楽しくないなら嫌だ」と考えるようになったのか……この先明かされるのか気になります。

金魚の描写で表しているものは真由? それとも久美子の決意?

第5話では冒頭に久美子の父親が金魚をもらってきて、最後には久美子があがた祭でゲットしてきた金魚を水槽に追加するという描写がありました。このシーン、原作になかったんですよね(もしかしたら順番が違うだけでこの先出てくるのかもしれませんが、少なくとも今回のアニメの範囲であるオーディション直前までにはありませんでした)。

このシーンについてXで皆さんのポストを確認してみると、最後に久美子が追加した一匹の金魚は真由の暗喩なのではないかという考察がちらほら見受けられました。

僕も詳しくは知らないのですが、調べたところ、どうやらお祭りでゲットした金魚は病気を持っている可能性があって、元々金魚が入っている水槽にすぐに入れてしまうと他の金魚が死んでしまうことがあるそうで、水槽に入れる前に何かしないといけないそうです。

既に水槽に入っていた金魚2匹を久美子と麗奈、あるいは久美子と奏(つまり元々いる北宇治の部員)に例えて、久美子が追加した1匹を真由に例えて、「真由が部員に入ったことで何か良くないことが起きる」という描写なのではないか、という考察らしいですね……僕はこの考えが全くなかったので、皆さんのポストを見て「マジか……不穏すぎる……金魚死なないで……」となりました。

その考察凄いなと思う一方で、僕自身は久美子の何か決意の表れなのかなと思いました。母親から「久美子にしては珍しい」と言われていたことから普段の久美子がやらない行動だと読み取れますし、元々は父親が用意した水槽と金魚だったので、父親の金魚と久美子の金魚が同じ水槽に入る=進路のことで久美子が父親とちゃんと話して意見を共有し合うようになる、ということを示唆しているのではないかと。進路のことで父親にやりたいことがあるなら言うように言われた時の久美子は「えっお父さんがそんなことを言うなんて意外」みたいな、そういう驚いたような反応でした。お姉ちゃんの一件からすると、元々黄前家は親にやりたいことを言えるような家庭環境ではなかったと思われるので、父親が歩み寄るのなら自分もちゃんと進路のこと考えて親に話そう……と自分のこれからのための決意の描写だったんじゃないかなと思いました。

ということで、5話の感想でした。
そういえば奏ちゃん、求君のことを全然名前で呼びませんね。「月永」呼びでいじりたいの裏に、実は名前で呼ぶことに恋愛感情的な意識をしてしまっていたり……?

コメント

タイトルとURLをコピーしました