【アニメ感想】ユーフォ3期12話 久美子vs真由、最後のオーディションの結果はーー

響け!ユーフォニアム
引用元:『響け!ユーフォニアム3』公式サイト あらすじ(第十二回)より

久美子が勝つ。最後のオーディションはそう思っていました。
なんやかんや久美子が勝ってソリに選ばれて、全国で麗奈と二人でソリをやって優勝する。
それが一番ストーリーの完結として綺麗な流れだし、あれだけ麗奈と全国でソリを吹くと何回も言われてきて久美子が負けるのは残酷だから、流石に久美子が勝つと、いや勝ってくれと思っていました。

僕と同じ視聴者、もっと言うと奏みたいに最後は久美子にソリをやって欲しいという視聴者はたくさんいたと思います(勝手な想像ですが)。それなのに。

負けた。

涙が止まりませんでした。本当に。


2人の姿を出さずに音だけで判定するオーディションの形式は素晴らしかったです。確かにこれなら大半の人が情ではなく単純にどっちが上手いかで投票できますもんね。そして視聴者にも久美子と真由のどっちが1番でどっちが2番がわからない形でやったことで、僕も(芸能人格付けチェックみたいな感覚で)1番と2番どっちが上手いんだろう?どっちが久美子の音だろう?と他の部員と同じように聞いて、2番に手を挙げました。

だからこそ麗奈が1番だと言い終わり、1番の人が前に出るところで、「頼む、久美子……前に出てくれ……!」と(多分奏達と同じ気持ちで)必死にお祈りしていたわけですが、前に出たのは真由でした。

こんなことがあるのか、と。
なんてえぐいことをしてくるんだ、と。(文句ではなく真由の勝ちにした展開に賞賛しています)

今までサンフェスやコンクールでの演奏シーンが全部カットされていたのは、(尺の都合もあるとは思いますが)久美子や真由の音を視聴者に聞かせないようにして、12話でのこのオーディションの時にどっちがどっちの音かわからないようにするためだったんでしょうか?だとしたらそれもえぐい。

これは言語化するのが中々難しいんですが、こんな風に真剣勝負をして本気で勝ちに行った時に自分が選ばれず負けた時の喪失感?のような感覚ってあるじゃないですか。それこそ久美子のように一生懸命やったのにオーディションで選ばれなかった時とか、受験の合格発表で自分の受験番号がなかった時とか……久美子にとても感情移入していたからこそ、負けた瞬間の久美子の表情から察する心情と同じ状態になっていたと思います。辛すぎ……

ただでそれで号泣しているところに、奏の号泣、真由の号泣、麗奈の号泣、そして久美子の号泣……

引用元:『響け!ユーフォニアム3』公式サイト あらすじ(第十二回)より

ユーフォ史上、一番泣いたかもしれない。

京アニさんの涙の描写が本当に凄くて、キャストさんの涙の演技が本当に凄くて。
今までユーフォで僕が一番泣いたのは2期後半の久美子があすか先輩に本音をぶちまけるあの有名なシーンだったんですが、それと同じか、それを超えたかもしれません……。

各キャラクターの号泣シーンを振り返ってみます。

【真由】
やっぱり真由には腹黒さはなく、本当に心からみんなと楽しみたい、雰囲気を壊したくないと思っていることが明らかになりましたね。前の学校で何かあったのかなとは薄々思っていましたが、自分がガチでやった結果仲間が音楽を辞めてしまった、それがきっかけでオーディションや全国金賞よりもとにかく「みんなとの楽しい合奏」が揺るがない信念になった……自分が選ばれる前提である意味煽りとも取れる言い方は(奏が嫌っていた通り)鼻につく印象がありましたが、久美子が本音を話して真由に最後まで寄り添って理解しようとした姿勢が偉いと思います。黄前相談所の最後のターゲットですね。そして真由がソリに選ばれた時には真由の気持ちを察して自分が演説をする形で真由をフォロー。自分がガチでやってもちゃんとみんなが納得していい雰囲気のまま続けられるから大丈夫と、真由が救われた瞬間を見られたのが本当によかった……12話は真由にもちゃんと共感できた回でした。自分の演奏には絶対に手を抜けないから自分から辞退はできなかったっていうのもとてもよかったです。

【奏】
しんどい……なんていい後輩なんだ……誰よりも真っ先に久美子のために泣いてくれたんですよ奏は……自分はまたオーディションで落ちたっていうのに……。いつものツンツンした奏はどこにいったんだってくらい今回は久美子に対して超素直でしたしね……マジでいい子すぎる……つらい……。

「先輩に吹いてほしかった」「先輩と一緒に吹きたかった」
あの時の奏の表情は、香織先輩に勝ってほしかった優子先輩だけでなく、2期で「先輩のユーフォが聞きたい」と訴えた久美子のようでもあるなと感じて、本当に心が痛くなりました……自分が落ちたことについては一切何も言っていないんですよ。全部久美子のためにあんなに涙を流して……うう、こうして書いているだけでも苦しい……。

【麗奈】
「久美子の音を分からないわけない」
そりゃそうだよな……ってことは麗奈は、2番が久美子の音だとわかった上で、1番の真由の方が上手いということで真由を選んだんですよね。うわえっぐ……。

これ何気に麗奈が一番辛かったかも……だって久美子を選ぶことだってできたってことですもんね。それでも、「久美子とソリを全国で吹くこと」より「全国で勝つこと」を優先した。だから真由を選んだ。うわあ麗奈に感情移入すると辛すぎるよ……でも1年生の時から周りにどう言われようが、何よりもガチなスタイルで全国で勝つことを最後まで貫いたのは最高にかっこよかったです。すげえよ麗奈……。

【久美子】
「死ぬほど悔しいーーー!!」

自分「ああああああああああぁぁぁぁぁ!!(涙腺大崩壊)」

こんなの泣くに決まってるだろ……。
10話が号泣のピークだったと思ってたんですが、そんなことなかったですね……。多分このシーンが、久美子の本心が一番出た瞬間だったんでしょうね。久美子もやろうと思えば真由にソリを譲ってもらって麗奈と一緒に吹くことができたはず。それでも「実力で決めるべき」と北宇治の部長として、何度も真由に声をかけられても断ってきた。久美子も麗奈と同じく、全国で勝つために一切妥協しないで自分の意志を貫いてきたんですよね。たとえそれで自分が負けることになったとしても。すげえよ久美子……。

にしても(しつこくてすみませんが)本当に負ける展開になるとは……
いや、だって、久美子と麗奈のソリ見たいじゃん……それで綺麗に全国優勝で終わりたいじゃん……それをこんな……ユーフォは1期を見た時から色々リアルすぎて「ある意味アニメっぽくない」という印象がありましたが、この展開を見て余計にそう感じましたね……普通アニメなら主人公が最後に勝って綺麗にっていうところを、真由が勝つ展開にしたのがすごくリアルというか……。だからこそこの作品大好きなんですけどね……。

奏と今めっちゃ駄弁りたいです。「久美子に吹いてほしかったよな!!なあ!!」って言い合いたい。

黄前久美子というキャラクター、今まで以上に大好きになりました。

引用元:『響け!ユーフォニアム3』公式サイトより

ということで、12話の感想でした。
次回がおそらく最終回になると思いますが、コンクールでの演奏は見られるのか。久美子達の卒業まわりはどう描かれるのか。「最後の曲」、しっかり見届けたいと思います。

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